安倍政権の経済政策が「アベノミクス」と命名され,ある種の期待を持って受け入れられているような報道もある.投資家,大企業は株価上昇と円安で大歓迎であるが,一般庶民にとって実感を伴った景気回復となるか疑問を持っている国民も多い.給料が上がらず物価だけが上がる,消費税が大きな負担となってくる,「成長戦略」によって下々におこぼれ(トリクルダウン)が来ないことは小泉改革で立証されている.
これはもう「アベノリスク」だと,21日の社民党主催の講演会,雨宮処凛さんとの対談で福島党首が述べた.特にそのリスクは若者,非正規労働者への矢となって向かってくるのではないかという.karin amamiya

非正規におかれている若者の状況は,雨宮処凛さんが伝えてくれた.この朝日新聞に掲載のとおりである.弱肉強食の新自由主義経済は,「助け合い」とか「所得の再配分」という理念は一切ない.強烈な競争を是とし,敗者の状況には目を塞ぎ,強いものへの抗議や反撃ではなく,弱いものどうしの差別,バッシングという方向にいってしまっている.人間の信頼関係は壊されつつある.

最低限のセーフティーネットとしての生活保護を削ることも,ブラック企業(大量に採用して,大量に早期解雇する)が人間をモノ扱いすることも,理由があるとか仕方がないと認めてしまう感覚が,今の社会にあることは否定出来ない.自分が蹴落とされないように,少し上のものを叩くという構図である.
社民大会13私たちが望んでいる社会はこのようなものではないはずだ.本当に問題があるのは,このような構図をつくりだして自らへの不満を,厳しい状況におかれている者同士の対立へと転嫁している企業経営者や,そちらに味方する政治である.強い者の味方をするだけなら政治はいらない.社民党の「社会民主主義」はまさしくその対極にある理念であるのだから.このような活動を通して理解と共感,そして連帯する運動をつくりだして行かなければならないと改めて痛感した次第である.

 雨宮さんは,地方でこのような講演をすることはあまりないのだそうだが,これはもう都市部だけの問題ではない.現場にあるリアルな実態をこれからも発信し,問題提起をしてくださると確信している.