10月9日,社民党国会議員調査団総勢19人(国会議員は,福島党首,阿部,服部衆院議員,又市参院議員の4名,渡辺満久東洋大教授,富山県議,石川県議,市町議ほか)は,志賀原発の視察を行った.

原子炉直下のs−1断層の調査状況の説明と質疑応答,現地調査,そして,県庁へ移動しての,県知事要請,記者会見の一連の調査・要請行動である.この調査は,当初,北陸電力が,「原子力発電に理解のない方の視察はお断りする」と,独占企業の傲慢さを自ら示すような対応をし,その後一転,国の指導もあって,社民党への謝罪とともに受け入れを認めたという,いわくつきの視察である.
実に差別的で,問題のある対応だった言わざるをえないが,調査団の視察が実現し,変動地形学の専門家 渡辺満久 氏とともに現地調査ができ,意義深いものとなった.

志賀原発での北陸電力からの説明は,党首からの,断層問題を主に説明してもらいたいと要望もしたが,現在進めている津波対策について詳細に行われ,s−1断層(北電はシームと言う)について,またその調査については,急ぎ足での説明という,かなり意図的な時間配分であった.渡辺教授の参加があるのだから,断層について時間をかけて当然だったろう.

断層調査については,原子炉建屋そばの敷地に直径8m,深さ40mの穴を掘り,そこから水平方向に直径2.5mの穴を掘って,断層面の観察と資料の採取を行うものである.

この調査用の穴を見て,福島党首は,「敷地直下に大きな穴を開けて,今調査をしていること自体が異常だ」と述べた.全くそのとおりである.
渡辺教授からは,この断層の深さや長さを確認する調査について,その意図や,方法の問題点 について鋭い質問が行なわれた.

渡辺教授は,記者会見で,北陸電力は,このs−1が断層ではないというための調査をしていて,仮に断層だとしても,短くて浅いものだと言おうとしている,そしてずれた年代も古いというための調査をしているが,当時のトレンチ断面のスケッチから見て,上部の砂礫層は下部の岩盤のズレで変動していて,明らかに活断層であり,長さや深さは本質的な問題ではなく,調査の必要性はないと明確に述べた.
また,砂礫層が古いとしても,その後に変動しているのであるから,活断層ではないということはできないとも述べた.

調査後の知事要請では,活断層であることが確認されれば,県として国と北陸電力に廃炉を求めることを確認しようとしたが,竹中副知事は,あくまでも国の責任ある判断という言い方を崩さなかった.また,国のエネルギー戦略についても,その計画と戦略がずさんであると指摘し,社民党国会議員には,現政権にしっかりやるよう国に伝えて欲しいとのべた.しかし,そこに県みずからが働きかけようとの主体的,積極的な意思はみえず,これを見透かした又市参議院議員は,県こそ政府に厳しく意見を届けるべきだと一喝した. これまで,議会で県の対応の無責任さが指摘され続けてきたが,ここでもそれが明らかになった格好だ.

10月末には,s−1断層調査の中間報告が行われる予定になっているが,この報告を厳しくチェックし,最終報告まで監視を強化していかねばならない.そして,再稼働はせず,廃炉にむけたとりくみを開始し,あらたな地域づくりを含めた着地点を定める必要がある.

 s-1調査のための岩盤調査坑(北陸電力資料)

▲ 建設前の調査時のトレンチ断面スケッチ

(1989JICC出版「能登原発はやっぱり危ない!」より)