金沢市は,東北大震災の災害廃棄物の受入方針を発表し,先日の地元説明会に続き,一般市民対象の説明会を開催した.私が参加した歌劇座での第1回の説明会には,100数十人の市民が参加した.
市長の挨拶と経過説明に続き,環境省の担当課長から国の広域処理方針と現状,放射線の基礎と基準値の説明,市の環境局長から,岩手県宮古地区の漁具漁網の受入方針と放射線の状況について説明があった.3.11から多くを学び自ら勉強した市民を前に,低線量放射能の危険性をやさしく否定するという印象であった.

質問は受け入れに対する不安と反対の発言がほとんどで,放射線を現地の人も受けているのだから,金沢でも放射能があっても受けてもいいではないかという人1人だけが,賛成意見であった.この意見はある意味で明快である.放射能をみんなで引き受けようという考え方である.

しかし,この考え方に私は立たない.放射性物質の集中管理という原則は守るべきである.その処理・保管技術をもっている自治体はないのである.また,微量であっても,低線量内部被曝のリスクが明らかになっていない中で,放射性物質の拡散を行うことは,現に今,被曝してしまった被災者の被害すら軽視したり無視したりすることにつながりかねない.
福島を中心とする避難者のうち,故郷へ帰る人もそうでない人も被災者すべてへの経済的補償と,可能な限りの除染(居住,生活区域からの放射性物質の移動),今後の健康管理を求め続けねばならない.

現地の思いから離れた,国環境省と一部利権企業との思惑によって,地域内の対立を生み出すような問題が,どの受け入れ表明地域でも起こっている.客観的で合理的な根拠を失った広域処理は中止し,被災地に雇用と経済的効果を生み出す現地での安全な処理に予算を投入すべきである.