わい・がやセッション「子ども未来」2012-1,シリーズ「私の育った学校」は,ロシアの学校.石川県国際交流員のボロディッチ・エフゲニさんに講演していただいた.

 講演の最初は,ロシアの平均的学校の児童生徒数は?という質問から入った.広大な国土であるから,小さな学校が各地に多数あるのかと思いきや,小中高(ロシアでは通しの年数で1年生から12年生と呼ぶそうだが)一貫した教育で,校舎も一緒,だいたい200人ぐらいが普通の規模らしい.
 9月,1年生の入学式では,最上級の12年生が新入生代表の子を肩にのせ,始業のベルを鳴らす,「ファーストベル」という微笑ましい習慣があるそうだ.その後も全学年の子どもたちが一緒に楽しく行う行事があるのかというと,それはないらしい.日本の感覚で言えば,大きな学校になって,これをまとめていくのもなかなか大変そうにも思えるが,これだけ年齢差のある者が同じ学校に通い,過ごすのも,社会性を育てるにはいいかもしれない.

 ロシアの学校では,発表が重視され,毎日出る宿題を次の授業で発表し,その都度の評価がノートに記録され,家に帰るとお母さんが,今日はどうだっかとノートを見るらしい.ロシアの子どもたちは,この毎日の通信簿にプレッシャーを感じているらしい.

 エフゲニさんによると,日本の学校との大きな違いは,日本の学校は秩序があるが,一人ひとりの子どもたちの主張や意見を表明することが少ないように思えるということだった.彼は,ロシアでは「自分の頭で考えろ」ということもいつも先生から言われていたということである.
 テスト漬け,点数に偏りがちというのはロシアも同じようだが,批判より従順を求める傾向のある日本の教育のあり方について考えさせられる指摘であった.

 寒いロシアだが,学校は暖かく,日本の学校の寒さは,ロシアだったら保護者から訴えられるだろうと冗談がでるほど.ロシアならではというのは,寒さが厳しくマイナス30度から40度になると休校になるそうである.この基準は地域によって異なっているようだ.

 今回も様々,興味深い話を聞くことができた.しかし,エフゲニさんの話しからは,ソビエト連邦時代の社会主義における教育の名残を感じさせるような内容はなかった.民主化から20年余り,学校教育も変化してきた部分も多いのだろう.そのあたりの変遷を聞いてみたかったが,もう少し年配の人に聞かなければならないだろう.次の機会を考えたい.